2024/09/29 10:00
ヴィンテージメリタのテーブルウェア
コーヒー器具で有名なMelitta(メリタ)。
あまり知られていませんが、実はテーブルウェアを作っていた時代がありました。
ドイツヴィンテージらしいビビッドカラー、北欧食器のような自然が宿るデザイン。
それはそれは魅力的なシリーズがたくさん生み出されています。
知れば知るほど沼にはまる、メリタのテーブルウェアの世界へようこそ。
メリタのはじまり
コーヒーの淹れ方は、時代や国によってさまざま。
その昔のドイツでは、粉状に挽いたコーヒー豆をお湯に浸して抽出し、麻布などで濾して飲むのが一般的でした。
そんな中、「もっと美味しいコーヒーを淹れたい」と考えた一人の女性がいました。
メリタ・ベンツさんです。
ふと閃いて、息子の練習帳にあったインク吸い取り紙を穴の開いたブリキ缶にはめ込み、コーヒーを濾過してみたところ、これが大成功!
100年と少し前、これが、世界初のコーヒーのペーパードリップの発明でした。
1908年に特許登録。たった4人から始まった小さな家族経営の会社は瞬く間に有名になり、やがて世界的なブランドへと成長していきます。
テーブルウェアの誕生
1956年、Melittaはテーブルウェアの生産を開始します。
2年後の1958年には、現在も製造されているMinden(ミンデン)シリーズのカラフルなラインナップが登場。
さらに1959年からはJupp Ernst、1966年からはLieselotte Kantnerがプロダクトデザインを担当し、数々の賞を受賞しました。
しかし、Melittaのテーブルウェア部門は1979年に独立します。
短い期間ながら、多くの魅力的なデザインを生み出しました。
Friesland - Melittaのその後
現在、テーブルウェア事業はオランダの会社の傘下に入り、Friesland(フリースランド)とブランドの名を変えて、テーブルウェアを作り続けています。
製造工程はMelitta時代と変わらず、大部分を手作業で行っています。
中でも、Melitta時代から愛されるAmmerland(アマーランド)シリーズは、Frieslandに引き継がれ、40年以上にわたり作られ続けています。
„幻の“テーブルウェア
メリタのテーブルウェアが生産されたのは、たったの20数年間。その短い期間で数多くの素晴らしいデザインを生み出しました。
もう、作られることはありません。
陶磁器という性質上、割れたり欠けたりしてしまうので、状態の良いものは年々少なくなってきています。
その希少性から、ヴィンテージ品としての価値も高まっています。
コーヒーのために生まれたテーブルウェアには、特別な魅力が詰まっています。
きっと、虜になるはず。
メリタのテーブルウェアのシリーズ紹介▼
